人間関係が過剰に可視化された果てに、行き着く先が「丁寧な草むしり」である。
人間生活を営んでいる中で、誰もが自分の居心地がいいように人間関係を構築する。
一番身近なところだとSNSのフォロー・フォロワーだろうか。他者と常に繋がっているように見えるが、
それは共生ではなく、互いが自生している事が前提で成立する関係だ。
気が変わり、無用になると簡単にフォローを解除する。
実際の人間関係においても自分の居心地のいい人だけを持ってきて、邪魔な人間を排除しないのかと私は考える。
人間関係を庭と見立てた時に、人間を植物に置き換えるとする。
自分の欲しい人間を根こそぎ引き抜き自分の庭に植え、邪魔な人間はむしり取って捨てる。
自分の庭に植えるだけではすぐに枯れてしまう。共感できる箇所を増やすことで互いに居心地をよくする。
そうすると根を張ることができるだろう。
「丁寧な草むしり」は人間の持つ利己的な意識を立ち上がらせる。
2022.12 辻悠斗